
「この不動産、このままで本当に大丈夫かな?」
そんな風に、お持ちの投資用不動産の今後の運用についてお悩みではありませんか? 昨今、金価格の高騰や新NISAの開始など、投資市場では目まぐるしい変化が起きています。これらの動きは、もしかしたら現在お持ちの投資用不動産の運用戦略を見直し、より最適なポートフォリオへと転換する絶好の機会かもしれません。
この記事では、変化する市場環境の中で、投資用不動産の売却がなぜ新たな資産形成に繋がるのか、そして金や新NISAといった他の投資対象へのシフトをどう考えるべきかについて解説します。
目次
投資用不動産の賢い出口戦略とは?

投資用不動産の運用において、「出口戦略」は非常に重要です。これは、単に物件を売却するだけでなく、繰上返済、リファイナンス(借り換え)、サブリース契約の見直し、そして他の投資への切り替え(売却と新たな投資)など、市場の状況やご自身のライフプランに合わせて、最も有利な形に資産の形を変えていくことを意味します。
そして、今まさに市場の動き、特に金価格の高騰や新NISAの登場を見ると、この「出口戦略」を考えるのにとても良いタイミングが来ていると言えるでしょう。
金価格高騰の背景と投資先としての魅力
金は、世界経済の不確実性が高まる時期に、その価値が安定しやすい「安全資産」として認識されています。実際、国内の金価格はここ数年、上昇基調が続いています。特に2019年頃から本格的な上昇トレンドが始まり、国内の金価格の指標となる田中貴金属工業が2025年6月16日朝に公表した小売価格は、1グラムあたり17,678円(税込)で最高値を更新しました。この価格高騰は、米国のインフレ懸念や地政学リスクの高まりを背景に、歴史的な水準で推移しています。

参考:田中貴金属工業株式会社「月次金価格推移」
こうした金価格の上昇は、円安進行、地政学リスクの拡大、世界的なインフレ懸念、さらには各国中央銀行による金購入の増加など、複数の要因が絡み合って生じています。特に、資産の目減りを防ぐインフレヘッジとしての機能は、実物資産である金が持つ大きな魅力です。
投資用不動産は素晴らしい資産ですが、流動性の低さや維持コスト、物件価格の変動リスクといった側面もあります。物件を売却し、その資金の一部を金に投資することは、ポートフォリオのリスク分散を図り、有事の際の資産防衛力を高める上で有効な選択肢となり得ます。これにより、資産全体のバランスを最適化できる可能性があります。
例えば、築年数が経過し、修繕費が増加傾向にあるアパートを所有しているケースを考えてみましょう。今後も大きな修繕費が発生する見込みがある場合、その不動産を売却し、得た資金の一部を金に換えることで、将来的な予期せぬ出費を抑えつつ、インフレリスクにも備えられるといったメリットが考えられます。また、世界経済の先行きの不透明感が増す中で、現物資産である金は、株式や債券といった金融資産とは異なるリスクヘッジとして機能します。
新NISAで広がる投資の選択肢
2024年から始まった新NISAは、個人の資産形成を強力に後押しする画期的な制度です。従来のNISAと比較して、その非課税メリットは以下のように格段に向上しています。
新NISA | 従来のNISA(一般NISA/つみたてNISA) | |
年間非課税投資枠 | 成長投資枠:240万円 つみたて投資枠:120万円 合計:360万円 | 一般NISA:120万円 つみたてNISA:40万円 |
非課税保有限度額 | 成長投資枠:1,200万円 つみたて投資枠:600万円 合計:1,800万円 | 一般NISA:600万円 つみたてNISA:800万円 |
非課税保有期間 | 無期限 | 一般NISA:5年 つみたてNISA:20年 |
売却後の非課税枠 | 翌年以降に再利用可能 | 再利用不可 |
それでは、こちらの具体例から新NISAのメリットを見てみましょう。

この例のように、毎月10万円を非課税で投資する場合、従来のNISA(つみたてNISA)では、年間40万円までしか非課税で積立投資ができませんでした。つまり、年間120万円投資しようとすると、残りの80万円は課税口座で運用するしかなく、利益が出るとその分の税金が課されていました。さらに、非課税で運用できる期間も最長で20年と決まっていました。
一方、新NISAでは、年間120万円の「つみたて投資枠」が新設されたため、この120万円全額を非課税で投資できます。加えて、生涯で1,800万円もの大きな非課税枠を無期限で利用でき、売却してもその分の非課税枠は翌年以降に復活します。
このように、新NISAを活用すれば、不動産の管理にかかる手間や空室リスクから解放され、税制優遇を受けながら、より精神的な負担が少なく、柔軟に長期的な資産形成を目指せるようになります。
なぜ「金」や「新NISA」が賢い選択肢なのか?
不動産売却後の投資先としては、様々な選択肢があります。例えば、一般の株式投資やFX、債券、あるいは別の不動産への再投資などが挙げられます。しかし、現在の市場環境において、特に金と新NISAを活用した投資が注目されるのには明確な理由があります。
それでは、なぜ金や新NISAが注目されているのか、具体的な例で考えてみましょう。
金 vs. 株式・FX(ハイリスク・ハイリターン)
投資用マンションの売却益2,000万円を、大きなリスクを避けて投資し、資産を守っていきたい場合、どちらの方が堅実な投資か見てみましょう。

- 株式・FXに全額投資した場合
- 高いリターンを狙って、手元の2,000万円を成長期待の高い企業の株式やFXに全額投資したとします。しかし、株価は企業の業績や経済情勢で大きく変動し、FXは為替の急な動きで一瞬にして多額の損失が出る可能性もあります。
ある企業の株価が1ヶ月20%下落した場合、2,000万円は1,600万円に目減りしてしまいます。また、FXでレバレッジをかけていた場合、為替がわずか数円動くだけで、数百万円の損失が出ることも珍しくありません。大切な売却資金が、市場の大きな波に飲まれて大きく減ってしまうリスクを常に抱えることになります。これは「ハイリスク・ハイリターン」の典型で、知識や経験、リスク許容度が非常に求められます。
- 金をポートフォリオの一部に加えた場合
- リスク分散のため、売却資金2,000万円のうち、例えば1,000万円を金に、残りの1,000万円を株式に投資したとします。金は「有事の金」と呼ばれ、株式市場が不安定な時やインフレの局面(物価が上がり、お金の価値が下がる時)に価値が上がりやすい特性があります。
仮に株式市場が先ほどのように1ヶ月で20%下落し、株式投資分の1,000万円が800万円に減ったとしても、金が安定していれば、あるいは価値が上がっていれば、資産全体への影響を和らげることができます。例えば、金が5%上昇していれば、金の1,000万円は1,050万円になり、全体では800万円+1,050万円=1,850万円となり、全額株式投資の場合よりも損失を抑えられます。
以上のことから、堅実な投資をしたい方や、資産全体のリスクを抑えたい方にとって、金は非常に有効な選択肢と言えるでしょう。 不動産売却後の資金を安全に運用しつつ、インフレへの備えもしたい場合に、金は「守りの投資」として非常に優れた特性を発揮します。
新NISA vs. 一般の株式投資・投資信託(税制優遇の有無)
投資用マンションの売却益を、株式や投資信託で運用し、運用益が200万円出た場合、NISA口座と一般口座・特定口座では、手元に残る利益に大きな差が出ます。それでは、どちらの方が効率的な投資か見てみましょう。
- 一般口座・特定口座で運用した場合
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- 運用益:200万円
- 課税される税金:約20%(所得税15.315%、住民税5%)
- 税金:200万円 × 約20% = 約40万円
- 手元に残る金額:200万円 – 40万円 = 約160万円
- 新NISA口座で運用した場合
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- 運用益:200万円
- 課税される税金:0万円
- 手元に残る金額:200万円
以上のことから、効率的に、そして手残り額を最大化して資産を増やしていきたい方は、新NISAの非課税メリットを最大限に活用すべきです。 不動産売却で得たまとまった資金を、非課税で運用できる新NISAは、他の追随を許さない強力な武器となります。
投資用不動産の売却を検討するタイミング

金価格の高騰や新NISAの開始は、あくまで投資用不動産の売却を検討する「きっかけ」に過ぎません。しかし、これらの市場の変化は、ご自身の投資戦略を見直す良い機会であることは間違いありません。
- 現在の不動産投資のパフォーマンスに満足していますか?
- より流動性の高い資産への投資を検討していますか?
- ポートフォリオ全体のバランスを見直す時期だと感じていますか?
もし、上記のような問いに一つでも当てはまるようでしたら、ぜひ一度、投資用不動産の売却をご検討されてみてはいかがでしょうか。
まとめ
投資用不動産の売却は、お客様の資産形成において非常に重要な決断です。市場の変動、新しい投資制度の登場など、考慮すべき点は多岐にわたります。私たちは、単に不動産を買い取る仲介業者としてだけでなく、お客様一人ひとりの投資戦略や将来の目標に寄り添い、最適な選択肢を共に考えるパートナーでありたいと考えています。
金やNISAといった新しい投資対象への関心が高まる中で、「今、不動産を売却すべきか?」「売却するなら、どのタイミングが良いのか?」といった疑問をお持ちになるのは当然のことです。私たちは、お客様の状況を丁寧にヒアリングし、現在の不動産市場の動向、そしてお客様が目指す資産形成の方向性を踏まえた上で、公平かつ専門的なアドバイスをご提供いたします。
無理な売却を促すことは決してありません。お客様にとって最も利益となる、そして納得のいく形で投資用不動産の売却が実現できるよう、無料査定から売却戦略のご提案、契約から決済まで、きめ細やかなサポートをお約束します。
「自分の不動産は今、いくらになるのか?」「他の投資に切り替えるにはどうすれば良いのか?」など、どのような些細なご質問でも構いません。まずは、お気軽にお問い合わせください。ヤマトエントラストでは、お客様の資産が次のステージへ進むお手伝いをいたします。